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「まだできていない技術分野」に取り組むのがFellowのミッション(Fellow / INITIAL CTO 小玉祐輝)

こんにちは、ブランディングチームの筒井です!

ユーザベースグループで働くメンバーを紹介する社員紹介インタビュー、第38弾はB2B SaaS事業 Fellow / INITIAL CTOの小玉 祐輝です。

プロフィール:小玉 祐輝(こだま ゆうき)
芝浦工業大学大学院理工学研究科卒。在学中からフリーランスとして活動し、2009年にオープンソースソフトウェアTortoiseHgにコアコミッターとして参画。2012年に株式会社INITIALに入社、INITIALの開発および運用に携わる。2018年1月に執行役員CTOに就任。2020年より現職。
浅煎りのコーヒーが好きすぎる。ロードバイクで長距離走るのも大好き。最近イズイチ(伊豆半島一周)したので次はノトイチ(能登半島一周)やる。
TwitterQiitaGithub@kuy

――なぜUB(ユーザベース)に転職しようと思ったんですか?

入社したのはJVR(株式会社ジャパンベンチャーリサーチ/2016年12月に子会社化)なんですよ。JVRに入る前はずっとフリーランスのエンジニアとして働いていて、入社4ヶ月前に実は自分で起業しようと考えていました。

当時はfoursquare(位置情報を活用したSNS)が流行っていて、位置情報 × ゲームで何かやろうと考え、私を含めエンジニア2人と、ビジネスサイド1人でスタートしました。プロトタイプはつくったものの、うまくいかなくて……。当時は資金調達したいと思ったら、スタートアップコミュニティに入る必要があったんですよ。

たとえば200万円程度の調達であれば自己資金で何とかなります。でも調達できるかどうかで、その後誰に紹介してもらえるかが変わる、みたいなことがあって。いろいろ動いて、ようやくシードが取れそうになったんですが、最後の最後でダメになってしまい、入り口にすら立てなかった。かなり悔しかったですね。

そんな時期、大学の恩師から同じ大学の大先輩であるJVRの創業者、北村さんを紹介してもらったんです。自分でスタートアップをやってみて、情報が少なくクローズドな部分に苦労したので、JVRがやっていることに、すごく価値があるなと思いました。

当時は25〜26歳くらい。大学の同期が大手電機メーカーにいて、人員が削減される中で仕事は増え続け、とにかく疲弊していたんですよ。自分は気楽なフリーランスだったけど、このままだと日本のエンジニアはどうなっちゃうんだろう? と危機感みたいなものがあって。

JVRに誘ってもらったのは、エンジニアとして世の中に貢献できることがあるのでは? と漠然と考え始めたタイミングでもありました。スタートアップを1社立ち上げるよりも、スタートアップが挑戦しやすい環境を整えていくほうがより大きな貢献になりそうだと思い、入社を決めた形です。それが2012年かな。

UBグループに入ると聞いたときはビックリしました。ただ、北村さん(JVR創業者)は皮肉まじりにJVRの事業を「社会事業だ」と言っていたんですよ。当時は今と比べてスタートアップへの投資額も、M&Aの額も小さくて……。JVRはVC(ベンチャーキャピタル)向けのサービスを展開していましたが、当時日本で独立系VCは10社くらい。まだ投資環境が整っていなかったんですね。

UB以外にもM&Aの話はいくつかありました。でも生きたデータベースの価値を知らない会社ばかりだったんですよ。我々からしたら、スタートアップ業界のデータベースを1ヶ月放置するなんてありえません。スピードの速い業界なので、放置=もうそのデータは使い物にならないんです。

でもUBより前にあったM&A案件は、我々のデータベースをスナップショット――買ったらずっと使えるだろうと考えているような会社が多かったんです。その点、UBはデータの価値がわかっていた佐久間さん(Co-CEO)がM&Aの窓口でした。

当時のUBは、データを内製化したい機運が高まっていたのと、お客様からもスタートアップのデータがほしいと言われていたと聞いています。なので、不安はなかったし、交渉はスピーディにまとまったと記憶しています。

もちろん買収直後は大変でした。PMI(Post Merger Integration/M&A後の統合プロセス)は最初失敗したんですよ。うまくいかなかった原因を突き詰めると、要はコミュニケーション不足だったんですね。

JVR(現INITIAL)のデータベースをより良いものにしていきたい、その思いはみんな一緒のはずなのに、いろいろな場面でボタンの掛け違いのようなことが発生していました。半年くらいうまくいかなかったのかな。

それで仕切り直すことになり、佐久間さんも現場に入って何とか軌道に乗せられるようにしていった形です。2017年1月に正式に買収完了し、感覚的には2018年に入って、ようやく新体制に馴染んだ感じ。

この経緯があって、UBが大切にしている「オープンコミュニケーション」の重要性を実感しましたね。オープンに話すだけでなく、お互いに譲れない部分をぶつけ合ったうえで判断する。そうしないとお互いにとって幸せじゃない。腹を割って話すことが大事なんだな、と。

――現在の仕事内容と、仕事でワクワクしていることを教えてください。

今はマネジメントというより、1人のエンジニアとして働いている感じです。INITIALの開発チームで、他のメンバーと同じように毎日ペアプログラミングでコードを書いています。2020年にFellowに就任しましたが、プロダクトに深くコミットするというのが大事で、何か固定の仕事があるわけではないんですよ。

組織や技術的な成長を目的とした制度なので、Fellowによってやっていることもさまざまです。チームを超えて知見を共有するFellowもいれば、勉強会を主催して開発に関する抽象度の高い学びを共有するFellowもいます。

私はフロントエンド側が得意なので、2021年はWEBアクセシビリティに取り組もうと考えています。アクセシビリティを自動チェックするツールを知り合いのエンジニアが開発していて、面白そうだなと触ってみたんですよ。まずはそのツールへの貢献から始めている段階です。

あとはINITIALのアニメーションをもう少し滑らかにしたいんですよ。ユーザビリティの観点で、見た目も使い方も改善したい。ユーザビリティの前にアクセシビリティでは? と思い、まずは自分が詳しくなるところから始めている感じかな。

「アクセシビリティを高めよう」と言うだけでは高まらないので、土壌をつくる。ツールへの貢献という意味で、仕組みを整える。FellowはこれまでB2B SaaS事業の中で、できていなかった分野を切り拓くのが仕事です。そうすることで組織が成長するし、プロダクトもより良くなります。

新たな技術分野に気づくための考え方のベースに、プロダクトとプロダクト自体のミッションがあります。INITIALは「挑戦する機会と勇気を生み出すプラットフォーム」がミッション。これを頭に入れて情報収集すると、まだできていないことに気づけるんです。

――仕事で忘れられないエピソードはありますか?

PMIが落ち着いた後、新規事業の「ami」を立ち上げたときかな。
起業家、挑戦する人たちの総量を増やすことをミッションに掲げたとき、データベースだけがあっても起業家は増えないのでは? という話になったんですよ。そのとき佐久間さんがポロッと「起業家向けのtoC事業をやろう」って言い出して、そこからが大変(笑)。

新規のサービスはWEBから始めるのが常識というか、鉄則なんだけど、あえてアプリから始めることになったんですよ。でも当時はWEBエンジニアしかいなくて……WEBエンジニアでもアプリ開発できるツールがあるので、それを使った開発に挑戦することになりました。

最初はチャットを使ってコミュニケーションが取れるアプリを志向したんだけど、モックをつくった結果「面白くないね」となって、ラジオっぽく話す音声プラットフォームはどうか? と検討したこともあります。最終的に動画をやろうと決め、縦動画のライブ配信アプリをつくることになりました。

リリースしたのは2018年秋。自分たちでも実際にライブ配信にチャレンジしたんですが、アプリは落ちまくるし、動画は止まるし、めちゃくちゃ大変だったんですよ……。すでに動画事業をやっているNewsPicks Studiosのメンバーには、かなり助けてもらいました。

エンジニアとしてWEBサービスをつくるはずが、そこから大幅に外れて渋谷の家電量販店に映像ケーブルを買いに走ったり、ライブ配信の設営をするなんて、UBグループになる前は全く想像もしていませんでした。今でこそ笑って話せますが、当時は何をやってもうまくいかなくて、1週間ごとにやることが変わる感覚。めちゃくちゃ大変でした。

2019年11月にamiはINITIALに生まれ変わりました。実は事業の柱としてユーザーに価値を届けているINITIALの有料記事の原型は、ami時代のライブ配信なんですよ。ライブで見れない人のためにコンテンツをつくっていたんですが、文字起こししただけでは読まれないので編集する必要が出てきたんです。

これがINITIALにデータベース以外の価値が生まれた瞬間でした。記事という価値を生み出すために、ものすごく苦労したわけですが、こうやって結実していくんだなって(笑)。

クリエイティブもamiのテイストを引き継いでいます。JVRが運営していたentrepedia(ベンチャー企業支援のネットワークサービス)だけでは、決して生まれなかった世界観だと思います。amiで新しいテイストを生み出し、entrepediaのイメージを変え、それが今、INITIALという形になっている。そこに全部つながっていたんです。

そういった意味でも「ami」という事業の中には、UBが大切にしている「The 7 Values」の全てが詰まっていました。あらゆる人が助けてくれたし、挑戦しかなかった。1つのエピソードにまとまらないくらい、本当にいろいろなことがありました。大変だったけど、忘れられないですね。

――The 7 Valuesの中で、一番好きなバリューは何ですか?

迷ったら挑戦する道を選ぶ」ですね。amiで挑戦して良かったと心から思っているので。
INITIALは挑戦する機会が多いし、見切り発車的に動いて穴にハマることも多いけど、それでも動くというか、挑戦することが好きなメンバーが多いんですよ。とにかく四半期ごとに何か動く(笑)。

プロダクトチームとしても、四半期ごとに新しいプロダクトを生み出している感じです。採用面接でよく「新しいサービスの開発に関われますか?」と質問されるんですが、ガンガンつくれる環境です。

05_迷ったら挑戦する道を選ぶ

――今後挑戦したいことは?

先ほど話したアクセシビリティは本気でやりたいですね。情報を扱う事業として、アクセシビリティを一切気にしないのはリスクがあります。まずはINITIALから始めるつもりです。アクセシビリティに取り組むことで、UBとしてそれを発信できるし、その結果採用につながるかもしれません。

2020年第4四半期の決算説明会で、UBグループの2021年の重点テーマとして「エンジニア組織への投資」を発表しました。具体的には今年50人以上のエンジニアを採用する予定です。

採用って何か施策をやったからといって、すぐに採用につながるわけではないので、あらゆる面で施策を打っていく必要があると思うんです。だからアクセシビリティへの取り組みを発信することも、その施策の1つになればと考えています。

あとOSS(オープンソースソフトウェア)にも取り組みたいですね。以前はかなりやっていたんですが、最近できていなかったので改めて。

Fellowは、技術力を伸ばしていきたいエンジニアにとって魅力的なキャリアパスになると信じています。日々チームで開発もしていますが、Fellowとしてもしっかり時間をつくってやっていきます。

OSSは趣味的な側面もあるので勝手にやるつもり。あわよくば、OSSの取り組みも採用につなげたいですね。日々の開発業務もFellowとしてのアクセシビリティやOSSの取り組みも、「迷ったら挑戦する」の気持ちを忘れずやってでいきます。


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