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健全に意見をぶつけ合い、互いの価値観を尊重し合える組織に(SaaS Design Division CDO 平野友規)

こんにちは、ブランディングチームの筒井です!

ユーザベースグループで働くメンバーを紹介する社員紹介インタビュー、第43弾は平野友規です。

平野 友規(ひらの ともき)
ユーザベース SaaS Design Division CDO(Chief Design Officer)
多摩美術大学情報デザイン学科卒業、東京藝術大学大学院デザイン専攻修了。2017年にDesign school Kolding(デンマーク)で客員研究員。トランスコスモス、コンセントを経て、2011年にトライアンド(現 デスケル)を設立。 2019年にユーザベースのSPEEDA事業に参画。主な仕事は、SPEEDAのデザインマネジメント、三菱重工業の社会インフラ事業のDX推進に向けたビジョン策定支援、RICOH THETAの新規事業開発時におけるUX / UIデザイン。株式会社デスケル 組織デザイン顧問/株式会社UB Ventures クリエイティブパートナー。

――なぜUB(ユーザベース)に転職しようと思ったんですか?

UBのことは知らなかったけど、NewsPicksの「WEEKLY OCHIAI」のファンで、有料会員でした。2017年頃デンマークに行っていたんですが、帰国する5日前に当時採用担当だった村樫さん(現Culture Teamリーダー)から、LinkedIn経由でメッセージをもらったんです。「デザイン経営に力を貸してくれませんか」みたいな件名で。そこで初めてUBの社名を認識しました。

面談でいろいろな人に会って入社を決めたわけですが、良い会社だと思いつつ、若いメンバーが多くて1年後に働けるイメージがなかったんですよ。そんな中、ミミさんに出会って「あ、この人とは仕事の相談とかできそうだ」ってイメージが湧いて、業務委託からの入社を決めました。

自分が経営するデザイン会社があるので、お金の心配はしていませんでした。でも帰国して大学院に通っていて、卒業と同時にもう1社に所属しようかなと考えていたんですよ。globalなデザインファームや事業会社など、UB以外にもいろいろスカウトはいただいていました。その中で村樫さんからのスカウトメールは、正直何が書いてあるかよくわからなかった。でも、とにかく引力があって。

村樫さんはたぶんデザインのことを知らないんだろうな、でもデザインのことを知らないなりに、一所懸命調べてメッセージを送ってくれたんだなとわかったんですよね。その文章が僕の心に引っかかって、UBの面談前には必ず目を通して臨みました

UBに入社を決めたとき、僕が入社する頃に村樫さんが産休に入ってしまうことを知って、慌ててお礼メールを送りました。

僕は「村樫さんに見つけてもらった」という感謝の気持ちで送ったんですが、村樫さんがすごく喜んでくれたと聞きました。さらに後日社内でこのメールが回覧され、稲垣さんの耳にも入って、SPEEDAの全体定例で共有されたと聞きました。「こんな強い思いを持って入ってきてくれる人がいるよ」って。

入社後に聞いたんですが、話が大きくなりすぎて、期待値が上がりすぎて怖かった(笑)。それくらい僕にとっては「見つけてもらった」という感覚が大きかったんですね。

当時、自分がデザイン事務所でやれることの限界もわかってきた中で、資本があるところに入ってCDOとしてデザインをやりたい思いを持っていて。そんな中、面談で稲垣さんからCxO、CDO「候補」という打診があり、仕事にもポジションに対してもすごく興味はあったんです。

でも実際現場に入って、だんだんCDOをやりたくなくなってくるんですよ……。入社当初のデザインチームは、Product Division(開発組織)の中にあって、そこのリーダーを務めるCTOの林さんがどれだけ自分たちの組織を守ってきたのか、見えてきたんです。

たとえば経営陣からの要望を無下に断るわけでもなく、エンジニア組織の意見を通しながらもアサーティブに調整していったり、メンバーのメンタルケアを丁寧にやっていたり――当事者意識やエンジニアの成長パスを出すために、ありとあらゆることをやっているのだと、林さんのすごさが半年くらいしてわかって。

僕は4〜5人の組織を回すのでいっぱいいっぱいだったのに、林さんは当時60〜70人くらいの組織を見ている。林さんはものすごく泥臭いことを、メンバーには見せずにやっている――憧れだったCDOという仕事に対して、「とてもじゃないけどできない」ってなっていったんです。

実際にSPEEDAのCDOになったのは2020年1月、佐久間さん(現Co-CEO)体制になってから。その1ヶ月前の2019年12月に林さんとの面談で、「年明けから佐久間さん体制になる。佐久間さんに『平野さんのデザインチームをProduct Divisionから切り離したらいいのでは?』って話しているんだけど、どう?」って言われました。即答で「無理です。このままの体制でお願いします」って言っちゃうくらい、怖くてやれる自信がなかった。

林さんは一旦わかりましたと言ってくれたんだけど、2週間後に「やっぱり平野さんにDesign Divisionのリーダーをやってほしい」と打診されて、そこまで言ってもらえるなら挑戦してみようと引き受けることにしました。

当時は佐久間さんとちゃんと話したことがなかったので「何で僕をDivisionリーダーにしたいんですか?」って聞いたんですよ。そうしたら「林さんがそうしたいって言ったから、YESって言ったんだよ」って言われて。林さんが僕の成長パスを描くために言ってくれたんだって気づいて、「うわー!」ってなりました。

そのときは執行役員ではなくDivisionリーダーだったけど、佐久間さんが「Divisionリーダーは全員執行役員ね」って言って、驚きました。1週間くらいプレッシャーで眠れなかったですね。

本当に林さんや村樫さんのおかげで僕は今の立場にいるので、2人には感謝しかないですね。

――現在の仕事内容と、仕事でワクワクしていることを教えてください。

デザイン組織をどういう方向に持っていきたいか? のビジョンと、メンバーの成長を描くのが僕の仕事です。もう1つはSPEEDAのソフトウェアインターフェースのデザインをすること。自覚的になったのは半年前くらいだけど、そこには向き合っていきたい。僕自身もかなり手を動かしてやっています。

あとはCDOの後任探しですね。自分よりも優秀でCDOを引き継げるような人を、常に探し続けています。あ、別にやめるわけじゃないですよ? UBの中でやりたいことがたくさんあるんです。

僕、ずっと人の成長に興味がないと思っていたんですよ。「そんなの自分でやってよ」ってスタンスだった。でも最近ワクワクしているのが、「My DESIGN FORWARD」。四半期に1度、フィードバックの前にその四半期で何をやっていたのか、各メンバーにプレゼンしてもらっているんです。SaaS Design Divisionでは「DESIGN FORWARD」というビジョンを掲げているんですよ。

みんながどんな「DESIGN FORWARD」したのかを聞けるのが、毎回すごく楽しみ。自分で思っていたよりずっと、人の成長を見るのが好きなのかもしれないと思うようになりました。時間の優先順位があるので、各メンバーに手取り足取り教えるような関わり方はできませんが、ヒントやアドバイスを通して人が成長するのがわかる――少ない接点でも人の成長をサポートできるんだと最近発見しました。

あとSPEEDAのリニューアルの際、UIデザインのスタイリングに入っていて、これはものすごく楽しいです。エンジニアさんから「見た目を変えるだけで、こんなに違うんですね」って言われて、デザイナー冥利に尽きるなと。

僕は自分で新しいことに挑戦するのがとにかく好きなんです。ちょっとしたことであっても、今までやっていなかったことに挑戦するだけでワクワクするんですよ。自分のクリエイティビティに向き合って、どうやっていくのかを模索しているとき――たとえばフレームやメソッドをつくっているときが意外と好きなんだなと最近気づきました。そのメソッドが自分の中で使えるカードとして増えた、みたいなことが楽しいですね。

――仕事で忘れられないエピソードはありますか?

2020年にマネジメントで大きな失敗をしました。最近コーチングを学び始めたのは、その失敗があったから。自分で自分に呪いをかけてしまっていた――世の中にいる理想のCDOを見て「CDOはこうあるべき」ってなっちゃっていたんですよ。そうしたらメンバーとハレーションが起きてしまって……。

もともとグラフィックデザイナーのメンバーの1人に「平野さん、もっと私に向き合ってください」みたいなことを言われていたんです。彼女が入社して半年後くらいかな。僕としては向き合っているつもりだったんだけど。

で、SPEEDAのWEBサイトのリニューアルのとき、そのリニューアルプロジェクトがいわゆる炎上したんですよ。いろいろな変数が重なったうえでの炎上なので、誰が悪いって話ではありません。ただ、彼女がその渦中に入ったんですね。

僕は「渦中の友を助ける(「The 7 Values」の1つ)」で彼女をサポートに入ったんです。彼女にはリニューアルプロジェクトに集中してほしいから、バナーデザインを引き受けることもあったし、SPEEDA本体と「SPEEDA EXPERT RESEARCH」のランディングページを2つ同時に進めていたんですが、本体のSPEEDAは彼女がやって、「SPEEDA EXPERT RESEARCH」は僕がやる、みたいなサポートの入り方をしました。

彼女には当時リーダーをやってもらっていたんですが、とにかくカオスでタイムマネジメントができるような状態ではありませんでした。その結果、だんだんチームマネジメントが後手に回り始めてきたと感じたので、リーダーを代わってもらいたいと伝えたんです。彼女にとっては、僕がなぜその考えに至ったのかがわからない。寝耳に水ですよね。

当然ハレーションは起きるし、僕への信頼はさらに落ちちゃって……。2ヶ月くらいお互いに気まずい状態が続いた後、稲垣さん(Co-CEO)に入ってもらって、5時間にわたる景色交換をしました。

2人で泣きながら景色交換した後、稲垣さんから「終わった後だから、あえて言うけど」と強烈なフィードバックをもらったんですよ。

「平野さんは感情の共有がなさすぎる。全部ロジックしかない。リーダーを交代させるロジックはわかった。だけど、その決断に至るまでの苦悩や、彼女に対する感謝などの景色が何も伝わっていない」

「いや、違うんですよ」って説明をしたら「それもロジック。そうじゃないんだよ」って言われて。感情共有って、究極は「ありがとう」と「ごめんなさい」のどちらか。「感情の景色交換ができない組織は死ぬよ」と言われて、ハンマーで頭をガツンと殴られるような感覚でした。

あとコーチングを学ぶ過程で自分にもコーチが付いてくれるので、いろいろ相談していました。で、コーチから「平野さんにとって、コミュニケーションって何ですか?」ってストレートに質問されたんですよ。そこでハッとしました。

デザイナーはコミュニケーションのことを考えるプロです。クライアントや社外に対するときは、ものすごくこだわる。なのに社内向けのコミュニケーションには、ほとんど意識を向けてこなかった。なんて雑にやってしまっていたんだろうって。

このエピソードには後日談があって。彼女との信頼関係が崩れたのが2020年3Q(7〜9月)で、景色交換をして信頼関係が回復したのが4Q(同年10〜12月)なんですね。SaaS Design Divisionは四半期ごとにフィードバック面談があって、彼女との面談の日が迫ってくるにつれて、そわそわしていました。

実はその四半期で、彼女はタイトルが上がらなかったんですよ。能力的にも僕の心情としても、タイトルアップさせたかった。でもコンピテンシークライテリアを鑑みるとできなくて、それを伝えるのが怖かったんですね。本当は上がってほしいのに、ロジックでは上げられない……。それをJJ(酒居潤平/SaaS事業 執行役員CMO)に相談したら、「その感情も全部伝えたらいいよ」とアドバイスしてくれました。

それでJJと三宅さん(FORCAS DESIGNチーム)に、フィードバック面談に同席してもらいました。素晴らしい場にはなったんだけど、そこで僕、号泣しちゃったんですよ。彼女も泣いていたけど。

後日、彼女から「ようやく平野さんが私に向き合ってくれているのが、すごく嬉しかった」って言ってもらえたんです。1年前に「もっと向き合ってください」って言われて、SPEEDAのリニューアルプロジェクトで炎上して、関係構築のやり方を間違えて、信頼を失って、僕のフィードバックは最悪でした。でも1年後、彼女から見たら、向き合えていたんだって。ものすごく嬉しかったですね。

今だからわかるけど、当時彼女が渦中にいたときの向き合い方を間違えたんです。振り返ってみると、彼女からは適宜相談を受けていたのに、そこへの感謝やリーダー交代に考えが至るまでの経緯を伝えず、いきなり交代してほしいと伝えてしまった。

当時の彼女はプロジェクトマネジメントが得意ではなかったんですね。苦手とするタイムマネジメントに入ったほうが良かった。僕がやっていたことは、あまり助けになっていなかったんです。今は「お互いに補完関係になれる」と気づいているけど、当時はわかっていなかった。

なので2020年はマネジメントとしての成長、組織に向き合った1年だったし、絶対に忘れられない経験になりました。今また別の渦中にいるんですが(笑)、そこでは僕がプロマネとして入っています。まだ課題はゼロではないけど、この1年でものすごく成長したと思います。

――The 7 Valuesの中で、一番好きなバリューは何ですか?

渦中の友を助ける」だったんだけど、マネジメントに携わるようになってから「異能は才能」が好きです。異能は才能というより、お互いの価値観を認め合うことが大事だなって。組織を見ていると、メンバー同士の価値観がぶつかることがあって、必要だし好きなんですよ。それを大切にしていかなければいけないんだろうなって、最近すごく思います。

「渦中の友を助ける」はすでに自分に浸透している感覚があるけど、「異能は才能」はまだ足りない。なので、まずはお互いの価値観を尊重するところから始めようと思っています。

07_異能は才能

――今後挑戦したいことは?

先ほど「後任探しをしている」と話しましたが、UBでやりたいことがありすぎるんですよ。もちろんマネジメントもやりたいけど、デザイン組織のマネジメントに僕より特化した人がいるなら、その人にCDOを引き継いだほうが組織全体のパフォーマンスは上がるはず。

そのうえでやりたいことは、大きく2つあります。
1つはSPEEDAのリニューアルを、とにかくやり切りたい。それがやりたくて入社したので。CDOという立場ではマネジメントに一定の時間がかかるので、今後誰かに引き継げたら、もっとSPEEDAというプロダクトにガッツリ入り込みたいですね。

2つ目は、そのリニューアルが終わった後で、新規事業支援にUBで挑戦したいと考えています。たとえばUB Venturesにもっと入り込んで、スタートアップにデザインの力を活かしたい。今もクリエイティブパートナーという立場ですが、もともとスタートアップの力になりたいというWillがあるんですよ。

「SPEEDAで10年以上続くプロダクトをリニューアルし、そこでデザイン組織を立ち上げた」という実績を持って入りたいので、SPEEDAのリニューアル後と考えています。

または、think beyondで新規事業をつくること。事業立ち上げの最初からデザイナーが入ることで、デザインが経営に「効く」ことを自ら証明したい。UBではよく「人とテクノロジーの力で」みたいな話が出るけれど、僕の小さな夢はそれを「人とテクノロジーとデザイン」というように「デザイン」を入れたいんです。だからこそ、think beyondで新規事業の初期からデザイナーとして関わることで、デザインの有用性を証明したいと考えています。

僕はやりたいことが次々に出てきちゃうタイプなんですよ。今は組織デザインだけでなくコーチングもやらせてもらえる環境なので、それもやりたいですね。


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