【D&I】メンバーに安心感を持って働いてほしい──産休・育休ハンドブックができるまで
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【D&I】メンバーに安心感を持って働いてほしい──産休・育休ハンドブックができるまで

UB note

ユーザベース(以下、UB)はDiversity&Inclusion(以下、D&I)の推進を加速するためのコミットメントを発表しました。それに共感したメンバー発で生まれたのが、「Diversity Empowerment Community」です。

これまで何回かご紹介してきたD&Iインタビューシリーズを担当しているコンテンツチームの他に、メンタリング、産休・育休ハンドブック、次世代と計4つのチームに分かれて活動してきました。

今回は産休・育休ハンドブックチームの中から、Corporate Global Office Teamの小池と、MIMIR Agile Expert Research Teamの中村、Corporate People Experience Teamの木戸に、なぜハンドブックをつくろうと思ったのか、社内公開後にどんな効果があったのかなど話を聞きました。

ハンドブックは現場の声から生まれた

──そもそも、なぜハンドブックをつくろうと思ったんですか?

小池:
当初は産休・育休復帰後のメンタリングプログラムを考えていたんです。でも「そもそも情報がまとまっていないよね」って気づいて、まずはUBメンバーが誰でも見れるよう、情報を集約することにしました。いくつか参考にした資料はありますが、構成はオリジナルです。

プロジェクトにはNewsPicksやMIMIRのメンバーや、シンガポール勤務のメンバーもいます。あとはCorporateのPeople Experience(以下PX)チームやクリエイティブのメンバーも入ってくれました。

──どんな風に進めていったんですか?

小池:
まずは当事者に、どういう情報がほしいかヒアリングしました。上司に妊娠の報告をしたことがある人・メンバーから報告を受けたことがある人と、育休を取得したことがある人(男性・女性それぞれ)の4グループ、2〜3人ずつヒアリングしました。

妊娠の報告をした後のケアはPXチームがしてくれますし、病児保育や時短などの制度は整っています。でも、自分が実際に産休に入るまでに何をしなければいけないのか、上司・会社への報告自体、どのタイミングですればいいのか、わかりにくかったんですよ。

中村:
UBのようなスピードの早い会社で一定期間、会社から離れるのって不安だと思うんです。情報共有できる場──たとえばイントラのようなものがあったらいいのでは? とか具体的なアイデアも出てきました。仕事から離れることへの不安と、それに対するサポートがほしいという意見が多かったですね。育休を取るのは心理的ハードルが高いんだなって。

木戸:
私はヒアリングには入っていなくて、制度や運営面のサポートで入っていました。本来PXがつくっているべきものだったのを、このチームがつくってくれた感じですね。

育休や産休を取得するメンバーって、これまで片手で数えられるくらいの数しかいない感覚だったんですが、振り返ってみると取得者がかなり増えていて。それに気づけたのも今回のプロジェクトのおかげです。

小池:
特に男性メンバーの場合は、法律で定められた給付金を受け取るのではなく、LV(ロングバケーション:年2回、5日間の連続休暇が与えられる制度)や有給休暇を充てる人もかなりいることがわかって。それはすごくいいなと思いました。

木戸:
女性は100%取得しているけど、男性は制度を使わない人も多いんですよね。法定の育休制度を使えば国からお金がもらえるけど、給与の約6割なので上限があります。それも影響しているのかもしれません。今回のプロジェクトで、LVや有給を使って育児をしている男性メンバーのデータを出せたのは良かったと思います。女性もLVや有給を使うメンバーも多いですね。

小池:
男性の育休取得者にヒアリングしたところ、いろいろなパターンがあることがわかって。法定制度を使って3ヶ月休む人もいれば、LVを使って数週間という人も。結果的に、約1/3がLVを使っていることがわかったんです。プロジェクト開始当初は想定していなかったけど、ハンドブックにも彼らのインタビューを載せることにしました。

ヒアリングでわかったリーダー・メンバーのリアル

──ヒアリングしたメンバーからはどんな声が上がりましたか?

中村:
UBって重要なアナウンスも全部Slackで流れてくるんですよね。育休中はSlackを遮断していたので、育休明けに重要アナウンスがまとまっていたらいいな、という声がありました。育休中の会社の変化をキャッチアップするために、Slackをものすごく遡らなきゃいけなかったそうで。

小池:
メンバーから妊娠の報告を受けた際のリーダーの対応について、情報がほしいという声もありました。リーダーとしては早めに報告してほしいけど、言いづらいのかなって悩んでいる人もいたし、チームの他のメンバーにいつ伝えるかも迷うポイントとのことでした。

一方、報告する側からすると赤ちゃんの心拍が確認できて、母子手帳がもらえるまで安心できないから、その前に報告するのは心理的ハードルが高いのかもしれませんよね。でも人によっては悪阻がひどくなって、母子手帳をもらう前に報告せざるを得ない人もいます。だから最初は体調不良で休んでいると思っていたけど、後から実は悪阻の影響だったとわかるケースもあるし。

リーダーからすると、早めに言ってもらえたほうがチーム内で仕事の融通は利かせやすいんですけど難しい問題ですよね。

木戸:
会社にいつ報告するか明確な決まりはありません。体調が悪いってPXチームに相談に来た人が、後から妊娠していたことが分かったケースもあるし、「そろそろ妊娠4ヶ月なんですが、何かしなければならないことはありますか?」って質問に来てくれる人もいます。

男性メンバーからだと「育休制度ってありますよね?」とか「どうやったら取れますか?」「何をしたらいいですか?」みたいな相談が多いかな。大企業だと社内イントラ上に「子どもが生まれたら」みたいな、手続きをまとめて見れるものがあることも多いけど、UBにはなかったんですよね。

今回、産休・育休ハンドブックを社内に公開してすぐ、6人ほど相談があって。このプロジェクトはすごく意味があることだなと実感しました。早く報告してもらうことは、会社にとっても重要ですから。

小池:
今回のハンドブックに紐づいて、社内の申請ルートも整備したんですよ。以前は妊娠の報告を受けてから申請フォームを案内していたんですが、事前相談の申し込みフォームも新たにつくりました。

中村:
MIMIRはハンドブックができる直前に育休を取得した男性メンバーがいたので、もっと早くほしかったなと思いました(笑)。直近で取得予定者はいませんが、MIMIRだけでなく社内にもっとハンドブックの存在をPRしていきたいです!

──プロジェクトを進めるうえで、どんな点が難しかったですか?

木戸:
制度を抜け漏れなく入れるのが大変だったかな。法律をどう表現するか、どこまで説明するかの判断も難しかったですね。

小池:
ハンドブックが完成して松井さん(松井しのぶ/取締役 CAO/CPO)に見てもらったとき、「男性・女性とか、パパ・ママって表現、LGBTQへの配慮がないよね」ってフィードバックをもらって、リリース直前にイラストも含め修正をかけました。

この点に関しては、国が今の状況に追いついていない感はありましたね。こんなに世の中がLGBTQって言っているのに、制度の名前に「パパママ」って付いているとか……。

このハンドブックでは、「夫婦」ではなく「パートナー間」といった表現に変えたり、「女性」ではなく「妊娠をした人」に変えたり。大切だしパーソナルな内容だからこそ、表現には最大限配慮したつもりです。

同性婚については、木戸さんがいろいろなところに聞いてくれたんですよ。手続きの方法とか。

木戸:
そうそう。社労士さんや、所轄である三田労働局、東京都の雇用環境・均等部(室)などに電話しました。復職率って国が決めた算出方法があるんでしたっけ? みたいな感じで。育休取得率を出しているのは厚生省、復職率は別の機関が出しているなど、とにかくややこしいなと思いました。

中村:
データを比較するためのソースもいろいろあるし、分母を何にするかとか。育休取得率の分母って誰? とか調べてくれましたよね。

完成したハンドブックがこちら!

小池:
自画自賛になっちゃうけど(笑)、パパママインタビューはぜひ読んでほしいですね。あとは先ほど出たデータを可視化した部分。妊婦本人だけでなく、パートナーやリーダー向けのコンテンツもあります。「コレさえ見れば何が必要かパッとわかる!」という時系列別のToDoページもつくりました。育休を取得したい人のことをものすごく考えてつくったので、ぜひ見てみてください!

中村:
以前勤めていた会社では、こういった情報が社内イントラにすごく無機質に載っていたのを覚えているんですよ。このハンドブックみたいに、写真やインタビューがあって、イラストも豊富に散りばめられているようなものって、かなり異色なんじゃないかな。

小池:
完成した後すぐ、夫に自慢しました(笑)。

どんなふうに活用してもらいたい?

──今後メンバーにはどのように活用してもらいたいですか?

小池:
採用のアピールにもなるんじゃないかなと思うので、ぜひリクルーターや面接を担当するメンバーのみなさんにも活用してほしいですね。

中村:
たとえばHRハンドブック(社内向けに人事制度がまとまっているブック)と同じように、必要な情報を見える化してまとめたものなので、みんなが普通に使う・参照できる資料の1つとして浸透していくといいなと思っています。

New Joiner(中途で入社したメンバー)に伝えるのもそうだし、UBメンバーみんなに安心感を持って働いてもらうためにも地道に拡げていきたいです。

木戸:
PXチームとしてやることは変わらないけど、このハンドブックを読んでから相談に来てもらえるようになったので、全てを説明するのではなく、それぞれに確認したいポイントに絞ってしっかり話せるようになりました。これはすごく嬉しい変化ですね。

プロジェクトを振り返って

──プロジェクトを振り返ってみて、いかがですか?

小池:
このプロジェクトメンバーの1人である伊野さん(伊野紗紀/SPEEDA SEA所属)の発言で、個人的にすごくハッとしたことがあったんですよ。「妊娠がわかったら」のパートをつくる際のことでした。

悪阻がひどいとき、病院からカードをもらって会社に申告できるものがあるんですが、そういった情報をどこまで入れるかディスカッションしたとき、伊野さんが「絶対に細かい情報も入れたほうがいい」と言って、そのページをつくり上げてくれたんですよ。

彼女は悪阻が大変で2〜3ヶ月休んでいたそうなんですね。私は悪阻が軽かったほうなので、ハッとしたんです。同じ妊婦さんでも人によって全く状況が違うこと、なんとなく理解はしていたものの、自分の認識の甘さを反省しましたね。

中村:
リーダーが妊娠の報告を受けたときのインタビューをまとめてくれたのは、MIMIRの奥村さんです。MIMIR内で最年長の男性なんですが、このプロジェクトの話をしたら「男性は入っちゃダメなの?」って聞いてくれて。彼はもともと外資系企業の経験が長く、意識的に育休に入るメンバーのサポートもしてきた人なので、プロジェクトに加わってくれてすごく心強かったですね。

小池:
今回のプロジェクトには、NewsPicksやMIMIR、海外メンバーなど普段あまり接点のないチームのメンバーもいて、彼らと一緒につくれたのがすごく良かったなって思います。プロジェクトメンバーそれぞれの経験が、いい意味でかぶっていなかったんですよね。そこがすごく良かったなって。

木戸:
今、D&Iでいろいろな数字を出す企業が増えていますよね。その中に育休取得率があると思うんですが、それって会社として数字を上げていきたいのかな? と思いました。取得するのが正解というわけではないし、いろいろな人がいていい。

先日、育休明けの男性メンバーが2回目の育休を取るか迷って相談に来てくれたんですよ。取ってくださいねって伝えたけど、パートナーに聞かないと分からないって言っていて。育休を取っている男性=ステキ! って称賛しすぎるのは違うと思うんです。もちろん、取りたい人が取れるようにするのも大事ですけど。

中村:
大企業すべてがそうだとは言いませんが、育休取得率を上げるため現場に取得するよう働きかけ、実態は1週間しか休んでいないという話も耳にします。まさに取得率の数字だけを上げる動きで、本末転倒じゃないかなって。UBグループはそうではなく、自分の意思で取りたい人はいつでも取れる会社でありたい。そんなことを深く考えたプロジェクトでした。

小池:
2022年前半には海外版もつくる予定です。海外メンバーにも安心して働き続けてもらえるよう、UB全体にもっとこのハンドブックの存在を拡げていきます!

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経済情報の力で、誰もがビジネスを楽しめる世界をつくる。 SPEEDA・FORCAS・NewsPicksなどのサービスを提供する株式会社ユーザベースの公式noteです。 ※インタビュー中の役職・組織名は当時のものです。