正解例がないからこそ、思考と実践を繰り返しアジャイルな経営システムをつくりたい(Co-CEO 佐久間衡)
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正解例がないからこそ、思考と実践を繰り返しアジャイルな経営システムをつくりたい(Co-CEO 佐久間衡)

こんにちは、ブランディングチームの筒井です!

ユーザベースグループで働くメンバーを紹介する社員紹介インタビュー、第36弾は代表取締役Co-CEOの佐久間衡です。

プロフィール:佐久間 衡(さくま たいら)
長崎県出身。UBS証券投資銀行本部を経て、2013年にユーザベースに入社。ポーカーフェイスだが、誰よりも熱い。偏愛しているものはマンガと数学とSaaS。最近はOKRも。好きな食べ物は火鍋。

――なぜUB(ユーザベース)に転職しようと思ったんですか?

UBを選んだ理由は3つあります。1つは新野さんと梅田さん(いずれも共同創業者)は前職の同僚で、2人ともすごく気持ちがいい人だったんですよ。だから「この2人がつくる会社なら、自由にのびのびとユーザーの方を向いて仕事ができる」って確信があって。

2つ目は、SPEEDAの目指す世界を自分も実現したいと思ったから。前職で分析作業を自動化するようなものを自作していたんですよ。まさにSPEEDAの世界観そのままで。企業分析のような一部の人だけができる仕事を、誰でも1クリックで使えるものにする――分析の価値を民主化していくSPEEDAで、自分もチャレンジしたいと考えたんです。

3つ目の理由は、ソフトウェアスタートアップで挑戦したかったから。2011年8月、私がロンドンで証券会社の仕事をしていた頃に、投資家のマーク・アンドリーセンがThe Wall Street Jounalに「Why Software Is Eating The World」という有名な記事を寄稿したんです。

それを読んだとき、「ソフトウェアで世界が変わっていくのに、自分は何でトラディッショナルな投資銀行にいるんだ」と思って。ソフトウェアスタートアップで、世界を変える側に行きたいと考えました。

とはいえ、共同創業者の2人に誘われたわけではなく、元CFOの村上さん(村上未来/現 株式会社somebuddy代表)から「佐久間はUBに合うと思うよ」と誘われました。彼とは前職の同じチームで働いていた戦友なんです。村上さんが会計士として独立すると聞いて、鰻をご馳走したんだけど、その1ヶ月後にUBに転職して、おいおいって(笑)。

実は当時、UBS証券で働きながら、教育系スタートアップで副業をしていて、その会社に転職しようと考えていたんですよ。両親とも教育者だったこともあって、昔から教育業界に興味があって。

その仕事は結局上手くいかなかったのですが、教育業界には変わらず興味が高かったので、教育系スタートアップの人を紹介してもらおうと、梅田さんに会いに行ったんです。そこに新野さんが「佐久間、久しぶり」って入ってきて、「ところでUBで働かない?」って誘ってくれたんです。

経営者がもともと知り合いだし、その場で採用が決まったような感じだったんだけど、その後で他のUBメンバーとたくさん話しました。そしたら「あいつはUBに入れるべきではないのでは?」って結論になりかけたそうなんですよ。

私、第一印象で良く思われないパターンが多くて……冷酷非道なバンカーとか思われたのかな。このインタビューシリーズでも、「面接の際に無表情で、絶対に落ちたと思った」みたいなことを言われていますよね(笑)。

でも「そんなことない」って強く反論してくれたのが村上さんだったと聞いています。彼は私が何人もジュニアバンカーを育ててきた姿も見ているし、苦楽を一緒に乗り越えてきて、「佐久間が冷たいなら、俺のほうがもっと冷たい人間だ」みたいなことを言ってくれたそうです。

入社を決める前、UBメンバーだけでなくUBの投資家とも話しました。UBに投資している人が、UBの成長性をどう評価しているのか、客観的に知りたくて。あとは事業計画の資料などをもらって、自分なら今後どうしていくか? とプロダクトアイデア――いま思えばショボいアイデアなんだけど、作っているうちに楽しくなってきたんですよ。

正式なオファーは新野さんからの電話でした。年収など採用条件を電話口で伝えられて、「1週間以内に返事をください」ってものすごく業務連絡的な感じだったんですよ。何でだよって思いつつ(笑)、そこから考えて飯田橋のスターバックスでUBの事業構想を具体化するノートを書いていたら、どんどん楽しくなってきちゃって「もともと自分がやりたかったことだし、中に入って一緒にやりたいな」って入社を決めました。

――現在の仕事内容と、仕事でワクワクしていることを教えてください。

抽象度高めに分けると、「経営システムをつくる」「プロダクトをつくる」「コンテンツをつくる」の3つあります。

1つ目の経営システムに関して、UB全体を貫く経営システムって、ありそうで無いんですよ。バリュー(The 7 Values)のおかげで一定の共通の価値観はありました。ただ、「経済情報で、世界を変える」というミッション達成に一丸となって向かうには、各事業の透明性を高め、自律的な共創を生み出すような経営システムが必要だと考えています。

創業間もないスタートアップから、社会変革を成し得る成長フェーズに移行しつつある今、ミッションとバリューに基づく「UBらしい」経営システムが必要です。その一例が、2021年から全社に本格導入したOKRですね。

2・3つ目のプロダクトとコンテンツをつくるのはシンプルに好きだし、今もたくさんのプロダクトオーナーを担っているので、今後も悩みながらやり続けていきたい。UBはプロダクトカンパニーだと思っているので、そのコアをみんなと一緒にしっかりつくっていきます。

プロダクトってボトムアップだけではできないと思っています。プロダクトの世界観を描き、具体的な機能や体験と結びつける力――属人的な力が必要です。今は私がそこを部分的に担っていますが、今後は私に代わってプロダクトを引っ張ってくれる人を、どんどん育てていきたいと考えています。

コンテンツをつくる部分は、プロダクトほどプレイヤーとしては関わっていません。企画部分に入ることが多いですね。

今一番ワクワクしているのは、経営システムをつくることかな。

1月は結構しんどかったんですよ。でも、ようやく大まかにではありますが「UBをどのように経営していくのか、それによってミッションに近づけるのか」の道筋が見えてきました。

私たちは今年のテーマとして「One Uzabase」を掲げています。でもNewsPicksやAlphaDrive、コーポレートのことがよくわからない状態で「One Uzabase」をつくるのは難しい。その状態で何かをやるように言うのは押し付けでしかないと思うんですよ。

なので、まずは「私はこうしたい」を伝えたうえで、ひたすら議論を重ねました。坂本さん(NewsPicks CEO)とは一番話しましたね。途中で喧嘩っぽくなったときは梅田さんに間に入ってもらったり、外部の人に入ってもらってお互いのメンタルモデル(発現しやすい思考のクセ)を共有したり。

コンテキストの形成に1ヶ月半くらいかかったけど、このプロセスは絶対に必要でした。坂本さんとしても、私とやりやすくなったんじゃないかな。こういったプロセスを経て、今ようやく視界が開けてきた感じです。

――仕事で忘れられないエピソードはありますか?

やっぱりミーミルの経営統合は、すごく感慨深かったですね。そもそもミーミル創業者の川口は、前職の同期で最初に仲良くなった人なんですよ。お互い理系のバックグラウンドを持っているんですが、投資銀行部門に理系出身者は少ないので、意気投合して。

彼がエキスパートリサーチ事業を立ち上げるとき、「いつかはUBグループで一緒にやろう」って話をしていて、それが3年後に本当に実現したわけです。

もちろんUBグループの一員としての挑戦は、まだ始まったばかりですが、普通はこういう買収って揉めることも少なくないと思うんですよ。でもビックリするくらい揉めなかった。

そもそもお互いにビジョンも共通しているし、買収条件もフェアに交渉できたと思うので、それが大きかったかな。買収前の話し合いでも、条件の交渉より買収後にUBグループとして、「どうやって専門家の価値をつくっていくのか?」という議論が多かったですね。

専門家の価値をSPEEDAをはじめとするUBのサービスに統合していくのは、本当に悲願でした。それがミーミルがUBグループ入りして早々、SPEEDAと統合した「FLASH Opinion」をリリースできて、アクセンチュア様から「麻薬のように止められないサービス」って評価してもらえて……本当に嬉しかったし、感慨深いです。

――The 7 Valuesの中で、一番好きなバリューは何ですか?

昔は「ユーザーの理想から始める」だったけど、今はダントツで「異能は才能」です。

私、「偏っている」とか「変」とか、他と異なっていることが愛しくてたまらないんですよ。例えばアートに関しても、「アウトサイダー・アート」と呼ばれるような、何らかの偏執的な傾向がある人のアートに心が惹かれます。

私の母親が、子どもも大人も障がい者も健常者も、同じように学び合う保育園を経営していて、その影響が大きいんでしょうね。母の保育園で、毎年園児が描いた絵を載せたカレンダーをつくるんですよ。私が感動するのは、だいたい重い障がいを持っている人の絵でした。

私自身、集団にうまく適合できない時期があって……障がい者ではないかもしれないけれど、ある意味障がいを抱えているというか。そもそもそんな特定に意味はないというか。そんな自分の背景もあって、偏っている、尖っているとか、変わっていると言われるような人が好きなんです。

そういう人があるがままに生きて、その異能同士が結びつくことによって大きな成果を出す――これがUBが大切にしている「オープンコミュニケーション」の思想であり、「異能は才能」っていう言葉に凝縮されていると思うんですよ。

最近、UBで「異能は才能」を実現できているのか、よく考えます。セクシャルマイノリティや国籍などのバックグラウンドの多様性に関しては、自己認識力が高い人を採用しているUBの採用方針と、矛盾は感じていません。

だけど、そもそも自己認識力が高くない人を採用しない会社が「異能は才能」を実現できるのか? っていうのが私の中で大きなテーマとしてあって、最近悩んでいるんですよ。自己認識力が高くないと、価値観を相対化できないじゃないですか。

価値観が相対化できる集団でないと、そもそも「異能は才能」を許容できず、お互いを傷つけ合ったり、カオスになると思うんですね。出島的に新規事業など、価値観の相対化がそこまでできなくても悪影響が生じない場をつくって、そこで自己認識力が必ずしも高くない人でも価値を産める仕組みをつくるのがいいのか――最近はそんなことをぐるぐる考えています。

07_異能は才能

――今後挑戦したいことは?

今年のテーマは「研究者のように経営する」です。

私はインプットしてアウトプットしていくことがすごく好きで、具体を経験しそれを抽象化・理論化していくことや、理論同士のアナロジーを見つけるのがすごく好きなんですね。

その一方で、具体的にプロダクトやコンテンツをつくることも好き。それらを統合した私らしい生き方として、「研究者のように経営する」という言葉がしっくりきます。

最近、基本的に午前中は誰とも話さず、1人で考えたり、コンテンツを作ったり、本を読んだりする時間にあてています。直接会うのが難しい時期だからこそ、よりテキストやコンテンツによる発信が大事じゃないですか。WFHになって、そういったインプットとアウトプットの時間をつくりやすくなったと感じています。

先ほど話した経営システムって、正解例がないんですね。
たとえば組織論の主なテーマの1つである「情報統制」、情報の流れをどうコントロールするか? を考える際、Slackの登場によって今までのセオリーが瓦解しているわけです。

Slackをメインにコミュニケーションすることで、たとえば今日入社したメンバーと私が得られる情報はほぼ同じになったし、階層や部門をまたいだコミュニケーションも容易です。Slackは階層構造が薄いので、やろうと思えば各チームの細かい進捗までストーキングできてしまいます。いや、やらないけど(笑)。

だから情報統制のセオリーを、新たに定義し直さなければならないわけです。もしかすると、組織構成を定義するより、Slackの階層を定義したほうが良いかもしれません。

そのような、今だからこそ実現できる組織形態がある。今だからこそ実現できる理想がある。だから新たな経営システムを思考し、実践して、どんどん良いものにしていきたい。それがインプットとアウトプットを繰り返す――「研究者のように経営する」ことでもあります。新たな経営システムをみんなとともにつくっていくことが、今から楽しみです。


「経済情報で、世界を変える」をミッションに掲げる株式会社ユーザベースの公式noteです。 このnoteでは、日々の出来事や社員紹介などを発信していきます。 https://www.uzabase.com/