大企業の変革を起点として、あらゆる日本企業を変革したい(AlphaDrive CEO 麻生要一)
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大企業の変革を起点として、あらゆる日本企業を変革したい(AlphaDrive CEO 麻生要一)

こんにちは、Communications チーム(略してコムズ)の筒井です!

ユーザベースグループで働くメンバーを紹介する社員紹介インタビュー、第42弾はAlphaDriveの麻生要一です。

プロフィール:麻生 要一(あそう よういち)
株式会社アルファドライブ代表取締役社長 兼 CEO / 株式会社ニューズピックス 執行役員

東京大学卒業。株式会社リクルートに入社後、ファウンダー兼社長としてIT事業子会社を立ち上げ、経営者としてゼロから150人規模まで事業を拡大後、ヘッドクオーターにおけるインキュベーション部門を統括。社内事業開発プログラム及び、スタートアップ企業支援プログラムを立ち上げ、新規事業統括エグゼクティブとして約1500の社内プロジェクト及び約300社のベンチャー企業・スタートアップ企業のインキュベーションを支援した経験を経て、起業家へ転身。

2018年2月株式会社アルファドライブを創業し、2019年11月ユーザベースグループ入り。2018年6月より「UB Ventures」ベンチャー・パートナーへ就任、ベンチャーキャピタリスト業開始。2018年9月株式会社ニューズピックスにて非常勤執行役員就任、企業内起業家としてNewsPicks for Businessの事業開発を管掌。著書に『新規事業の実践論』。

――なぜUB(ユーザベース)に転職しようと思ったんですか?

2018年の2月くらいかな。起業家になったタイミングで、梅田さんに報告したら「お茶しようよ」って話になって、そこで「うん、わかった。UBで働かない?」って言われたんですよ。意味わからないですよね(笑)。僕は起業の話をしたかったのに、ぜんぜん話が噛み合わないなと思っていたら、最後に「全然違う話なんだけど、今度VCを立ち上げるから一緒にやらない?」って言われて。それがUB Venturesでした。

僕はリクルート時代、「TECH LAB PAAK」という組織で、インキュベーターとしてスタートアップ支援をずっとやっていたので、VCの構造もよく知っていたんですね。その中で、日本のVCは金融出身者がほとんどで、事業をやったことのある人が投資していないことに、個人的にすごく違和感があって。

レイターのスタートアップならまだしも、シードやアーリーステージのように、事業のことを本当にわかっている人が「人」と「事業」を見極めて投資しなければならないときに、事業の立ち上げ経験者が入っていないのは、すごく違和感があったんですよ。

アメリカはエンジェル投資家の層も厚いし、シードVCって起業家でIPOやM&AなどのEXITを経験した人がやっていることも多くて。なので先輩起業家からのアドバイス+投資みたいなエコシステムが回っているんだけど、日本はそこが薄いように見えて……仕方ないと思いつつ、ずっと違和感があって。

「VCをつくるんだけど、やらない?」って梅田さんに言われたとき、新規事業ばかりやっていた僕が、引き続き事業開発の仕事をしつつ、自分も起業家をやって、かつ同時にVCをやるのは意味があるかなって思ったんです。

その後、岩澤さん(UB Ventures代表)を紹介され、彼も事業経験豊富な人たちによるVCをつくりたいと考えていたそうなんです。それでめちゃくちゃ盛り上がって、UB Venturesをやることになりました。実際に立ち上がったのが2018年6月です。

UB Venturesに入ったことでUBグループ入りしたわけですが、そうしたらなぜかニューズピックスにも入ることになったんですよ。なんか「UB Venturesもやっているんだし、いいじゃん」みたいに言われて。すごい採用力ですよね(笑)。

事業開発ユニットみたいな部署ができて、そこに所属することになったんだけど、突然「ちょっと経営会議に出てくれない?」って言われて出てみたんです。当時はAlphaDriveを創業したばかりで時間があったので、毎週経営会議に出ていたら「そろそろ経営会議でプレゼンしてくれない?」って言われて。

「NewsPicksをどうしていきたいか」みたいなことを話してほしいと言われたので、ニューズピックスのいろいろなメンバーに話を聞いて、それを踏まえたうえで課題構造やどんな事業開発をすればいいか、僕なりの意見を発表しました。

当時僕が話したのは、NewsPicksの事業規模を継続的に伸ばす施策で、1つが「ユーザー数が伸びなくても、売上が上がるような仕組みをつくる」――有料課金と広告以外の柱として、法人向けにソリューション事業をつくること。もう1つが「ユーザー数がちゃんと伸びる仕組みをつくる」――非連続にユーザー数が伸びるような打ち手を実行することでした。

個人的には後者をやるべきだと言ったんですが、「すごく良いけど時間もお金もかかるので、前者のソリューション事業を先にやろう」みたいな話になって。これが今やっているNewsPicks for Businessになります。「自分で言ったんだから、自分でやれ」みたいな空気になって、やることになったのが2018年の秋。そこでなぜかプレスリリースが出るんですよ。何のプロダクトもないのに(笑)。

これってカッコよく言うと「リーンスタートアップ」なんですよね。プロダクトがない状態で、MVP(Minimum Viable Product)で事業を立ち上げていく。僕も講演でよく話すんですが、それを自身でやったという。

で、ここまできて、ちょっと本腰入れてやらなきゃなと思ったんですね。当時は顧客がいたわけでもなく、「やるべき」から始まっているので、実は本当に立ち上がるかどうか半々だなと思っていました。とりあえずやってみて、立ち上がったら考えればいいと思っていたら、幸運なことに、年末にとある大型案件のコンペに勝利することができた。

それで何とかサービスを立ち上げたら成果が出て、さらにクライアントが増えて「これは立ち上がるぞ!」ってなったのが2019年です。 クライアントが増えたので採用しないと回らなくなって、あっという間に20人くらいのチームになりました。

それと並行して、自分が起業したAlphaDriveも垂直に立ち上がったんですよ。NewsPicks for BusinessもAlphaDriveも、いわゆるエンタープライズ企業がクライアントで、新規事業開発を支援するのがAlphaDrive、組織開発や人材育成をやっていたのがNewsPicks for Businessです。

たまたまだけど、前後関係にある――事業としてつながっていく可能性があるなと思っていた頃に、坂本さん(ニューズピックス CEO)から「AlphaDriveを買収したい」と言われて。よく考えたら双方にメリットがあるなと思って、かなり深い協議を長いことかけてやった上での結論として、2019年11月にUBにAlphaDriveごと入った形です。こんな話でいいのかな(笑)?

――現在の仕事内容と、仕事でワクワクしていることを教えてください。

よく聞かれるんだけど、注力していることが1個なわけないじゃないですか! 「一番注力していること」が100個くらいあるんですよ。

僕らは2法人にまたがる1つの事業――NewsPicksの法人向け事業であるNewsPicks for Businessと、大企業向けの新規事業開発支援をするAlphaDriveを1つの事業として運営しています。やっているのは「大企業の変革」。たとえば電通さんや三菱重工業さんのような。

変革というのは、やる気をなくしている大企業のサラリーマンの目を輝かせ、イノベーションを生み出せるスキルを装着し、実際にイノベーションを生む新規事業をつくってもらい、現場から次々と新しい価値を生み出せる会社に「体質転換」すること。そのための打ち手として、Incubation SuiteMOOC EnterpriseNewsPicks Enterpriseという3つのSaaSプロダクトがあります。

今ワクワクしているのは、絶対に変わらないだろうと思われていた大企業が、本当に変わっていくのを実感できるとき。僕たちの仕事で最も価値を感じる象徴的なシーンが、目の前でクライアントが泣くときです。

大人が泣いているのを見る機会って、あまりないじゃないですか。しかも自分のメンバーではなく、お客さんが泣いているのを見ることなんて、ほとんどないですよね。でも僕たちの現場だと、お客さんが泣く。これが一番やめられないと思うシーンです。

何で泣くかというと――僕たちがやっているのは、やる気を失っているような、どこか後ろ向きなビジネスパーソンを起業家のように変換していくことなんですね。これはAlphaDrive内で手法を確立しています。彼らに課題の根深い現場に入ってもらい、いろいろな事業開発をやってもらうことによって、背負うものが大きくなって、少しずつ人間が変わっていきます。

はじめは上司から言われた仕事をこなすだけだったような人が、自分の言葉で語り出し、「自分が生まれてきたのは、この仕事をやるためだったのかもしれない」と発見する。でも無力感に苛まる。それでもこの事業をつくりたいと強く思い、何かを生み出していくんですね。

その「想いがあふれ出す瞬間」みたいなことが誰しも必ずあって、ある人は普通に会議をしているときに急に泣き崩れるし、ある人は経営会議で「この事業を事業化させてください」ってプレゼンしているときに思い余って泣く。泣いて、目が変わって、起業家になっていくみたいな瞬間があるんです。

最近は個人が変わっていくだけでなく、その覚醒した人たちが企業の中でドミノ倒し的につながっていくことによって、会社全体が変わっていくんですよ。経営陣のイノベーションに対するリテラシーや、社員に対する期待も変わっていく。

僕たちが入る前は「うちの社員には難しいだろう」みたいなことを言っていた経営陣が「社員にちゃんと投資する」「うちの会社のことを信じる」「彼らの力を最大限に活かそう」と言い始める。

で、実際に新規事業開発の場で出てきたものを見て感動し、ちゃんと投資をしてサポートをするみたいなことが起きてきます。会社が体質変換していくのが目に見えてわかる。これはすごく面白い。

今年に入って特に手応えを感じ始めているんですが、アルファドライブを創業した以前と以後で、明らかに日本の現場の新規事業開発力が上がってきていると感じるんですよ。クライアントの新規事業開発コンテストで最終審査をやっていても、最近の案件はすごく面白いし本当に感動します。

顧客のインサイトを捉えて、ちゃんと価値を返しているし、顧客の願いや社会の方向性とも一致している。しかもイノベーティブな何かが見出されていて、市場性も語られていて。それをもって経営陣に投資判断を迫るようなアイデアが一定出てくるんですよ。明らかにレベルが上がっていると思います。

――仕事で忘れられないエピソードはありますか?

え、梅田さんに巻き込まれたこと。以上(笑)。


――The 7 Valuesの中で、一番好きなバリューは何ですか?

なんだろうな……1個じゃないんすよ。「The 7 Values」って1個だと意味ないと思っていて。

自由主義で行こう」と「創造性がなければ意味がない」が1つ目と2つ目にあるのが、UBの一番すごいところだと思うんですね。あくまで僕の解釈という前提ですが、「自由主義で行こう」って「基本的には何も教えないよ」と言っているように聴こえるんです。7つ目に「渦中の友を助ける」があるから、すごく困っているなら助けてくれるけど。

逆に言えば、何の制約もないから、やってはいけないことはない。そんな場が用意されているのが、UBの素晴らしいところだなと。でも何の制約もないからそれで動けるよね、ってものすごく自立性を求めてくるわけですよね。

これにかけ合わせた2つ目の「創造性がなければ意味がない」ってすごいですよね。だって、創造的じゃない全ての仕事を否定しているようなものじゃないですか。会社は何も指示しないので、どうぞ自由に働いてください。その結果、創造性のあるすごいことをやってね、って言っているように聴こえる。できるでしょ? だって制約ないんだから、みたいな(笑)。

「どうやったら創造性を持って働けるんですか?」とか「会社が求めているイノベーションとは何ですか?」みたいなことを聞こうものなら、「いやいや、自由主義なんだから、それを考えるのが君の仕事でしょ」って言われる。いや実際は言われないけど(笑)、これが大好きなんです。だって僕は起業家だから。そうじゃないと僕は価値が出せない。だからUBは起業家マインドのある人が働きやすい会社なんですよ。

で、ユーザーの理想から始めて、スピードで驚かせて、迷ったら挑戦する道を選ばなきゃいけなくて、助けてはくれるけど渦中になるまで助けてくれないっていう(笑)。

1つ目と2つ目だけでもいっぱいいっぱいなのに、スピードでも驚かさないといけない。 さらに一瞬でイノベーションを生み出せなかったら遅いって言われるし、難易度の高い仕事を前に怯んでいると「挑戦する道を選べ」って言われる。そうすると大変なことになるんだけど、よっぽど大変になったときに初めて助けてくれる。

……だいぶ大げさに話したけど、僕は「The 7 Values」を初めて見たとき、こう感じたんですよね。

――採用ブランディング目的の記事なんですが(笑)。

AlphaDrive独自のバリューも日本語は少し違うけど、ほとんど同じなんですよ。

1)必ず、可能性を信じる
2)フラットに徹する
3)発明をしつづける
4)常に自分らしくある
5)縦横無尽に、働く

「フラットに徹する」は「異能は才能」に似ているし、「発明をしつづける」は「創造性がなければ意味ない」、「常に自分らしくある」「縦横無尽に、働く」は「自由主義でいこう」と近しい。

「必ず可能性を信じる」はちょっとオリジナルっぽいかな。どういう意味かというと、僕たちはビジネスパーソンを起業家のようにする仕事なので、「全ての人は必ず覚醒することができる、変わることができる」と信じるところから始めよう、みたいなこと。このバリューだけ事業内容に紐づくもので、あとはUBと近しいですね。

01_自由主義で行こう

02_創造性がなければ意味がない

――今後挑戦したいことは?

大企業の変革を起点として、あらゆる日本企業を変革したい。日本中の会社をイノベーティブな会社に変換できたら、国際競争力がものすごく上がって日本経済が再生すると本気で思っていて。

そのための変革に必要なのは戦略などではなく、働いてる人の覚醒だと思うんです。日本経済において、一番の眠れる宝――解放すべきなのは「働く人のポテンシャル」。

なぜなら、本当はものすごい高い潜在能力と社会を変える視座を持っているのに、やる気を失った目で働いているから。自身の可能性を発揮せず、時間を浪費している人が少なからずいる。彼らが本気で働く社会をつくれたら、日本経済は必ず変わる。それをやりたいんです。

さっき話した通り、これは一定の手応えがあるので引き続き推進していきたい。大企業内の新規事業開発のレベルはだいぶ上がってきた感じがするんですが、その先――そこで生み出したサービスをどう大きくするのかはまだまだ未整備です。

これまで日本のスタートアップ業界が整備してきた、ラウンド毎に非連続的にバリュエーションを上げ、どういうロジックでどのくらいの調達をしたら、どうなるのか? みたいな投資スキームがありますよね。同じように、大企業ならではの投資スキームを整備していく必要があると思っていて。

昨年度比で予算を決め、BSではなくPLだけで予算を見るという、現在の大企業の予算策定のやり方だけで新事業への投資を続けると、どこかで資金の供給不足に陥って、結局スケールしなくなってしまうはず。なので、そこをちゃんと整備したい。大企業の中で次々とサービスが大きくなっていくところに手を入れるのが次の段階で、最終的にはスタートアップ業界と大企業をちゃんとつなぐ社会をつくりたいと考えています。

オープンイノベーションみたいな表面的な連携の話ではなく、スタートアップ企業がちゃんと既存の大企業にEXITされる世界をつくりたいんです。買収された企業のCEOが、買収先の企業グループ内で経営幹部になっていくようなエコシステム。そのCEOが社員を教育し、その教育された社員が起業家になって、つくった会社が買収されて戻ってくる――そういうことがアメリカのようにもっとシームレスになるはずなんですよ。

今の日本では完全に分断されているので、そこをつなげるところまで来たら日本は必ず変わります。ちゃんとやれば10年以内に実現できるはずです。

その頃にはAlphaDriveは今の事業に加え、ファンドや人材紹介業など複合的にいろいろな事業を傘下に置く、ホールディングスのような形態になっているかもしれません。事業計画をきちんと引いているわけではないですが、創業時からそのイメージは変わっていません。

その未来を実現するために、今はとにかく人が足りない!
AlphaDriveとNewsPicks for Businessは、今まさに成長期に入っているんですね。スタートアップ企業に例えると、シリーズAの後半からシリーズB前半くらい。ビジネスモデルが確立し、日に日に売上が上がっていく拡大期なんです。

だから全ての部署で人が足りない。「The 7 Values」のところで話したように、自由と同時に厳しさも求められる環境ですが、起業家マインドを持った人には最高の場所だと思うので、ぜひ仲間になってほしいです!

「経済情報で、世界を変える」をミッションに掲げる株式会社ユーザベースの公式noteです。 このnoteでは、日々の出来事や社員紹介などを発信していきます。 https://www.uzabase.com/